コロナ対策の融資と給付金(最新版)

新型コロナウイルス対策の各種施策について以前にもお伝えしていますが、その後にまた新しい情報も出てきました。最新情報を整理してお伝えしたいと思います。

特にこの5月から「信用保証付き融資における 保証料・利子減免」の制度がスタートします。従来の「公庫のコロナ特別貸付」と「セーフティーネット4号」をいいところ取りしたような強力な融資制度です。
まだ情報が少ないのですが、今後もウォッチして随時発信していきたいと思います。


コロナ対策の主要な融資制度

日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」

【条件】
・直近月の単月の売上高が対前年比で5%以上減少している事業者。
 直近月は今なら3月か4月ですね。
 (業歴が1年以内の場合は対前年比ではなく別の計算式になります)

【申込先】
・日本政策金融公庫の最寄り支店。
 ただし窓口よりも郵送やインターネットでの申請がオススメです。
 必要書類や詳しい手順は公式サイトを見てください。

https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/covid_19.html

【借入可能額】
制度上は最大6,000万円となっていますが、単純に上限で申請するのはよくありません。
借入希望額を「なぜこの金額が必要か」という根拠を以下の2点のポイントを押さえて論理的に説明できる資料を作ることが有効です。
それに合致したうえで3,000万円以内の希望額で申請するのが通りやすいです。

2点のポイント
・直近月実績と今後3~6ヶ月程度の各単月の、平時の売上高、コロナ影響による売上高見込、その差額、それに伴う資金不足額(=借入希望額のベース)。
・コロナが落ち着いて平時に戻れば売上や利益が出せるという根拠(過去の実績や今後の施策など)。

なお借入希望額には、公庫の既存債務の借換を入れても通るケースが多いです。
その場合は借入希望額の内訳として、資金不足分と既存債務借換分が分かるように記載すればいいです。

【金利】
・当初3年間は0.46%、それ以降は1.36%。
・しかも売上高15%以上減の小規模事業者なら当初3年間は「特別利子補給制度」に該当して金利が返ってくるので3年間は実質無利子
無担保、無保証人、経営者保証も不要となっており、大変有利な条件で借りられます。

【コメント】
・申請時に売上減の条件を満たせば実質無利子で、経営者保証も不要という魅力的な融資制度です。
・特に公庫の既存債務がある事業者は借換にも対応してもらえますのでものすごくよいです。

・ただ難点は、現在申し込みが殺到していて申請から入金まで2ヵ月以上かかることです。
・まだ余裕のある事業者でも、いまのうちに借入申請を出しておいて、手元資金を厚くしておくことを推奨します。
・余裕のない事業者はこれと並行して他の資金調達を合わせて手配する動きが必要です。

信用保証付き融資の「セーフティネット保証4号・5号」

【条件】
・直近月の単月の売上高が、前年の同月と比べて20%以上減少していると4号の認定です。
・20%なくても5%以上減少なら5号です。5号は業種制限ありますがほとんどの業種はOKです。

【補足】
地域によっては違う名前を付けていますが、同じものという理解で差し支えないです。
例えば埼玉県の場合は「経営安定資金」と名付けて、さらに「災害復旧関連」(4号に相当)と「特定業種関連」(5号に相当)の2つに細分化しています。 

【申込先】

  1. まず自治体(市区町村)で認定書をもらいます。
  2. その後に金融機関に申し込みします。
    (金融機関は基本的には自社口座があって懇意にしているところがスムーズ)

【借入可能額】
・制度上の上限額はかなり大きいですが、借入必要性と返済可能性の根拠説明ができる範囲でしか借りられません。
・公庫のところで書いたの同様のポイントを押さえた資料を作って申請しましょう。

【金利】
・自治体により異なり、埼玉県は0.5%です。(信用保証料が別途必要)
・無担保、無保証人、ただし経営者保証は原則として必要です。

【コメント】
・条件的には公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」より少し落ちますが、現時点では公庫より早いのが魅力です。
・融資実行のスピードは金融機関によっても違いますが、早いところは1ヵ月未満でやってくれます。付き合いのある担当者がいればまずは相談してみましょう。

信用保証付き融資における 保証料・利子減免
(新型コロナウイルス感染症対応資金)

【概要】
4月30日に令和2年度の補正予算が成立して、5月1日から新たに受付開始になったばかりの制度です。この制度の根拠としては経済産業省から出ている「支援策パンフレット」に記載されています。

https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf

「新型コロナウイルス感染症で 影響を受ける事業者の皆様へ(令和2年4月30日12:00時点版)」の9ページ目に記載の施策が根拠になります。

【補足】
具体的な融資制度の名称は地域によって呼び方が異なるようです。
例えば埼玉県では「新型コロナウイルス感染症対応資金」という名称です。

http://www.pref.saitama.lg.jp/a0805/seidoyushi/07j-corona.html

【条件】
・条件は公庫の融資と同じで、直近月の単月の売上高が対前年比で5%以上減少している事業者(個人・法人)が対象です。
・法人は減少比率が15%以上だと「特別利子免除制度」の対象にもなってさらに有利です。
・個人は減少比率が 5%以上で「特別利子免除制度」の対象になりますので申込条件を満たせば自動的にOKです。

【申込先】

  1. まず自治体(市区町村)で認定書をもらいます。
  2. その後に金融機関に申し込みします。
    (金融機関は基本的には自社口座があって懇意にしているところがスムーズ)

【借入可能額】
・制度上の上限額は3000万円です。
 (ただし根拠説明ができる範囲の金額で申し込みをお勧めします)
・借入期間は最大10年です。

【金利】
・「特別利子免除制度」の条件を満たすと当初3年間の金利ゼロになります。
 なお、公庫のコロナ特別貸付制度では利子補給という形での実質ゼロですが、こちらは最初から金利がかからない形です。
・条件を満たさない場合、または条件を満たしても4年目以降の金利は1.2%~1.5%程度かかります。

・通常は信用保証料が0.85%必要ですが、これも「特別利子免除制度」を満たせば保証料ゼロ、満たさない法人でも半額になります。

【コメント】
・上2つで挙げた、公庫のコロナ特別貸付と、保証協会のセーフティーネット4号をミックスした感じの制度ですね。
・公庫よりも融資スピードが早く、セーフティーネット4号よりも金利が安い、いいところどりの印象です。
・しばらくはこれを主流として考えるのがよさそうです。
 または公庫とこれのW申請もいいでしょう。

本格的にはこれから情報が出てきますので、私も情報ウォッチしてどんどん発信していくつもりです。


給付金等について

持続化給付金

【条件】
いよいよ受付が始まりましたね。
2020年の1月から12月までのどこかの単月の売上高が対前年比で50%以上減少していたら申請できます。
現時点では1月から4月までのどこかの単月で50%以上減の月があれば申請できます。
これに該当しない事業者は5月から12月のどこかで50%以上減の月が出れば申請できます。
予算は十分にあるということなので慌てずに申請しましょう。

【申込方法】
Web申請が基本。後日窓口も用意される。

【給付額】
法人は最大200万円、個人事業者は最大100万円です。
詳しい計算式は公式サイトを見てください。

各都道府県や市区町村独自の支援金(川口市の例)

【条件】
例えば埼玉県川口市では「小規模事業者等事業継続緊急支援金」が始まりました。
川口市内で事業を行っている小規模事業者または個人事業者で、2020年2~6月のいずれかの月の単月売上高が前年同月を下回ると10万円の支援金支給を申請できます。

【申込先】
川口市役所。
申請は郵送は5/7~、電子申請は5/15~、窓口は5/25~から受付開始。
申請締め切りはいずれも7/31まで。詳細は下記参照。

https://www.city.kawaguchi.lg.jp/soshiki/01110/011/shingatakoronauirusukinkyuukeizaitaisaku/30868.html

【コメント】
このような市区町村独自の給付金や支援金がありますので、最寄りの自治体や商工会議所などの情報を確認しましょう。

個人向けの特別定額給付金

【条件】
こちらは個人向けですが、1人10万円の定額給付です。
世帯主が世帯分をまとめて申請して口座に振り込んでもらいます。
マイナンバーポータルでの電子申請はすでに始まっていて、私もさっそく申請してみました。
電子申請が難しい方は、郵送での申請案内が市区町村から順次くると思いますのでそれに沿って申請しましょう。


終わりに

新型コロナウイルス感染症の状況がなかなか収束しない中、事業の先行きに不安を感じる事業者様は多いです。

苦しい中でも事業を継続するには重要なのは手元資金の確保。その事業資金の調達手段としてやはり最有力は融資(借入)です。そしてそのためには事業計画書の作成・提出が必要になります。

お困りの事業者様にはできる限りの支援をしたいと思いますのでご相談ください。

お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ