事業再構築補助金(令和4年度版)

事業再構築補助金は、中小企業がコロナ禍でも事業存続を図るために行う事業再構築の取り組みを補助金で支援してくれるという制度です。

令和3年度に5回の募集が行われました。
令和4年度も追加予算が確保されて累計で第8回公募が終わったところで、最終の第9回公募が2023年3月中旬締切で募集されます。

さらに令和5年度も延長が決まりました。詳細は後日発表されますがおそらくあと3回くらいの募集がある見込みです。

条件がコロコロ変わるので、以下の解説がまだ更新が追い付いていない部分があります。
最新情報は公式ホームページにてご確認ください。


概要

以下の画像が、経済産業省が公開しているPR資料と概要資料の抜粋です。
元ページへのリンクは以下です。

https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/index.html

この公式のPR資料の冒頭には「ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための企業の思い切った事業再構築を支援」と書いてありますね。

最大の注目ポイントは、中小企業の通常枠でかなり小規模の会社でも最大2,000万円、従業員101人以上なら最大8,000万円。その他の枠では条件を満たせば最大1.5億円の補助金が受けられるという金額の大きさです。従来から人気がある「ものづくり補助金」は最大1,000万円ですから、桁違いに大きな補助金であることが分かります。

対象条件

概要資料には申請要件として3つの条件が書いてあります。
この3つが必須要件となります。

1.2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。
2.事業再構築指針に沿った事業再構築(新分野展開、業態転換、事業・業種転換等)を行う。
3.事業再構築に係る事業計画を認定経営革新等支援機関と策定し、その事業計画にて補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成。

まず1番目の売上減少要件は任意の連続6ヵ月中の任意の3ヵ月で計算してよいです。ただ一貫して成長傾向の企業ではどうにもならないですね。

2番目に「事業再構築」に取り組むという条件があります。公式ページに「事業再構築指針」が公開されていて、これに沿った取り組みであることが必須です。かなり厳密で細かい条件が求められます。

3番目の付加価値の増加率の条件はものづくり補助金とほぼ同じ条件です。これはハードル低いのでまず心配いりません。ただ今回は認定支援機関の関与という条件が付いています。これは、ものづくり補助金でも昔はあった条件で今はなくなりましたが、この事業再構築補助金で復活しましたね。なお当社は認定支援機関の資格を持っていますので、当社が申請支援をする分には支障ありません。

補助額・補助率について

【事業再構築補助金】は、企業規模、取組内容に応じて補助金額・補助率が5つのパターンに分かれています。

(1)通常枠
※もっともノーマルな通常枠です。なお中小企業の定義は「中小企業基本法と同様」と記載されています。これは業種によって細かく規定されていて一言では書けないですがかなり広範囲の企業が中小企業の枠に収まります。
補助金額:従業員20人以下は最大2,000万円
     従業員21人~50人は最大4,000万円
     従業員51人~100人は最大6,000万円
     従業員101人以上は最大8,000万円
補助率 :中小企業 2/3(6,000万円超は1/2)
     中堅企業 1/2(4,000万円超は1/3)

(2)大規模賃金引上枠
※従業員数101人以上の企業が従業員数を年1.5%以上増員させながら事業再構築に取り組む場合の枠
補助金額:最大1億円
補助率 :中小企業 2/3(6,000万円超は1/2)
     中堅企業 1/2(4,000万円超は1/3)

(3)回復・再生応援枠
※従来の緊急事態宣言特別枠の後継となる枠で条件はほぼ同じ。
※通常枠の条件に加えて2021年10月以降の任意の単月が対2020年または2019年の同月比で30%以上減少が応募条件。通常枠よりも上限は小さいが補助率が高く、また通常枠と別枠で審査されて採択がされやすいのが特徴です。
補助金額:従業員5人以下は最大500万円
     従業員6人~20人は最大1,000万円
     従業員21人以上は最大1,500万円
補助率 :中小企業 3/4   (中堅企業は 2/3)

(4)最低賃金枠
※通常枠の条件に加えて、2021年10月から2022年8月までの間で3ヵ月以上、最低賃金+30円以内で雇用している従業員が一定以上いることが条件になります。回復・再生応援枠よりもさらに加点がついて採択されやすいです。最低賃金ギリギリで雇用している従業員が多い企業は2022年10月からの最低賃金引上げが経営に与える影響が大きいので優遇するみたいな趣旨のようですが、個人的にはあまりよくない優遇条件だなとは思います。でも該当する企業はチャンスなので積極利用しましょう。
補助金額:回復・再生応援枠と同じ
補助率 :回復・再生応援枠と同じ

(5) グリーン成長枠
※グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す取り組みが対象。ただしかなり申請時に求められる情報量が多くなるので申請は大変です・・・
補助金額:中小企業は最大1億円、中堅企業は最大1.5億円
補助率 :中小企業1/2、中堅企業1/3


(6)緊急対策枠
※2022年1月以降の連続する6ヵ月のうち、任意の3ヵ月の合計売上高が、2019年~2021年の同3ヵ月の合計売上高と比較して10%以上減少していることが条件。通常枠など他の枠の売上減少要件はコロナ以前(2019年又は2020年1~3月)と比較するのに対して、この緊急対策枠は2019年~2021年のいずれかの年の同月との比較でOKです。通常枠では条件を満たせなかったが、緊急対策枠なら条件を満たすという会社もありえます。例えば2021年に創業した会社にも応募資格が生まれる場合があります。
補助金額:従業員5人以下は最大1,000万円
     従業員6人~20人は最大2,000万円
     従業員21人~50人は最大3,000万円
     従業員51人以上は最大4,000万円
補助率 :中小企業 一部3/4、一部2/3   (中堅企業は一部2/3、一部1/2) ※詳細は公式ページ参照

以上の6つの枠がありますが、私の考えでは実用的には (1)通常枠 と (3)回復・再生応援枠 と (4)最低賃金枠 と (6)緊急対策枠 の4択だと思います。残りの2つは実用的でなく無視していいでしょう。

対象経費

概要資料や公募要領には以下のように書いてありますね。

建物費、設備費、システム購入費、外注費(加工、設計等)、研修費(教育訓練費等)、技術導入費(知的財産権導入に係る経費)、広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)等が補助対象経費に含まれます。
【注】補助対象企業の従業員の人件費及び従業員の旅費は補助対象外です。

これはものづくり補助金の対象経費と似ていますが、ものづくり補助金と違って「建物費」を含められるのが特徴的です。ただ令和3年度は建物新築も可でしたが、令和4年度は新築は原則不可で、内外装の改装のみが対象になります。また構築物は不可なので例えば外構や舗装の工事は対象外になります。

あとものづくり補助金では不可だった「研修費(教育訓練費等)」も含められますね。同様にコロナ型のみで限定的に可能だった「広告宣伝費・販売促進費」も対象に含められます。

従業員の人件費が入れられない点はものづくり補助金と同様です。

ものづくり補助金との比較

「ものづくり補助金」との違いを表形式でまとめてみました。

ものづくり補助金事業再構築補助金
応募条件売上減少要件は特にない売上高10%以上減少が必要
補助金額通常枠は最大750万円~最大1,250万円。
グローバル枠で最大3,000万円
通常枠は最大2,000万円~最大8,000万円
他の枠では最大1.5億円のものもあり
補助率小規模企業は2/3、それ以上の中小企業は1/2小規模~中小企業は2/3、中堅企業は1/2(一部1/3)
認定支援機関の関与特に必須ではない認定支援機関の関与が必須
取り組み内容の条件革新的な商品やサービスの開発、
または生産方法や提供方法の改善を伴う、
取り組みが対象
経産省が⽰す「事業再構築指針」に沿った
取り組み
が対象
事業計画の条件付加価値額の年率平均3.0%以上増加
給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
(加点を受けるには年率平均3.0%以上増加)
付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加
対象経費機械装置(設備)・システム購入、外注費など左記に加えて建物改修費や広告宣伝費なども対象

採択率について

発表があった6次公募までの採択率は以下の通りです。
特別枠などは審査の優遇があり、通常枠よりも高い採択率になります。
他の補助金では回を追うごとに申請数が激増して採択率が下がるパターンがよくあるのですが、事業再構築補助金については申請数が安定していて採択率は増加傾向です。基本的に1社1回しか受給できないので、本気度の高い企業は早い回で採択して抜けている傾向があります。そのため第6回は申請数がかなり下がり、第7回、第8回も少なめの申請数が予想されます。申請数の増減に関わらず各回の採択数はあらかじめ目安が決まっている節があり、申請数が減ると採択率は上がる傾向があります。

募集回締切日申請数採択数採択率
第1回2021/05/07通常枠16,9685,10430.1%
特別枠など5,2632,91255.3%
第2回2021/07/02通常枠 14,8595,38836.3%
特別枠など 5,9413,94866.5%
第3回2021/09/21通常枠15,4235,71337.0%
特別枠など4,8843,30867.7%
第4回2021/12/21通常枠15,0365,70037.9%
特別枠など4,6373,11067.1%
第5回2022/03/24通常枠16,1856,44139.8%
特別枠など4,8503,26667.3%
第6回2022/06/30通常枠11,6535,29745.5%
特別枠など3,6872,37264.3%
第7回2022/10/05通常枠9,2924,40247.4%
特別枠など5,8403,34357.2%

採択後の手続きについて

採択されたとしても安心はできません。
採択後の手続きはとても煩雑で時間がかかります。
特に「交付申請」と「実績報告」の2つが、何度も差戻しを受けながら再提出を繰り返してようやく承認されるという感じになります。個別のノウハウはブログの方にも掲載しますので参照ください。

当社の申請支援サービスについて

当社では事業再構築補助金の申請支援サービスを行っています。

まずは初回打ち合わせで、お客様の事業プランをお聞かせいただき、当社サービスの前提条件・注意点を説明いたしまして、双方合意できましたら着手金を入金頂いて支援開始という流れになります。

料金体系は以下となっております。

当社の実績としては、以下の採択件数です。
・第1回公募では4社が採択。
・第2回公募では2社が採択。
・第3回公募では3社が採択。
・第4回公募では3社が採択。
・第5回公募では3社が採択。
・第6回公募では4社が採択。
・第7回公募では2社が採択。

第7回までの累計でいうと24社をご支援して、21社が採択(再チャレンジでの採択を含む)となっています。100%とはいきませんが、高い採択率ではないかと思っております。

ご興味ある方はお問い合わせフォームからご連絡ください。まずは初回打合せ(無料)で応募条件を満たしているか確認させて頂き、お互いに納得して合意したら正式に進めていきます。