令和4年度の事業再構築補助金

本来、事業再構築補助金は今年度限りの補助金でしたが、令和3年度補正予算によってこの制度が延長になることがほぼ確実になりました。

すでに公式ホームページに令和4年度の制度概要の資料が公開されたところです。
その内容を簡単に解説したいと思います。

なお公式資料は以下のリンクにありますので、詳細はこちらを確認ください。

https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/hoseiyosan_gaiyou.pdf

●スケジュールについて

令和3年度は5回の募集があります。現在は4回目の募集中です。
令和4年度にあと3回程度の募集が追加される予定になりました。

回数は累計でカウントする方針のようで、令和4年度は第6回、第7回、第8回という呼び方になるようです。

私の予想ですが2022年の6月末、9月末、12月末くらいのスパンで締切がくるスケジュール感を予想しています。

●予算総額について

令和3年度は5回の募集で1兆円強の総予算でした。
令和4年度は3回の募集で6000億円強の総予算です。
したがって1回あたりの予算が同じくらいになるので、採択率も今と同じくらいの水準が続くと見込めます。

●応募条件について

応募資格として「売上高10%減少要件」がありますが、令和4年度は少し緩和されます。

といっても、令和3年度は原則「2020年10月以降で10%以上減少」が、令和4年度は「2020年4月以降で10%以上減少」になるという緩和です。そんなに大きな違いはないですね。

したがって、コロナ後に開業や設立した事業者は原則対象外というのは変わらないです。

●応募枠(事業類型)について

現在は6つの枠があります。
「通常枠」、「大規模賃金引上枠」、「卒業枠」、「グローバルV字回復枠」、「緊急事態制限特別枠」、「最低賃金枠」の6つです。
それぞれ補助金の上限や補助率や採択率が違います。

令和4年度はここから3つ減って、2つ増えます。
詳細は公式資料を見て頂きたいですが、全体的にはそんなに大きな違いはないという印象です。

●補助金の上限について

令和4年度から「通常枠」の補助金上限が下がります。
たとえば従業員規模が20人以下なら上限4000万円⇒上限2000万円に下がります。
1社あたりの上限を下げて、多くの企業に行きわたるようにする意図と思われます。

●補助対象経費について

令和4年度から「建物費」が、原則として改修のみになり、新築には一定の制限を設けることになるそうです。
これは結構大きな変更ですね。私がこれまでご支援した事業者様でも建物を新築する計画は多かったですが、それに制限がかかるようです。

●事前着手の対象期間の見直し

第5回までは事前着手制度を使えば2021年2月15日以降に発注済の経費も含められました。
これが第6回目以降は後ろ倒しになるようです。これは仕方ないですね。

●まとめ

他にも細かい変更はありますが、記載は省略します。
公式資料をご確認いただければと思います。

全体として、そんなに変わらない形で3回延長になったという印象です。

新型コロナの感染拡大はやっと落ち着いてきたと思ったら、今度はオミクロン株の脅威が出てきて、本当に長期化の様相を示しています。コロナ影響で既存事業が売上減になり、新事業開始などの事業再構築が必要な事業者様は多くいらっしゃいます。

事業再構築には多額の初期投資が必要になりますが、そのときに国の補助金は非常に有効です。
個人的には正直少し変な制度だなあと思う面もあるのですが、個人レベルで抗っても仕方なく、制度ができたからにはあるものを有効活用するという考えで進めるのが得策だと思います。

当社としても、ノウハウを生かして、事業再構築に取り組みたい事業者を支援していきたいと考えております。

現在、第4回の公募に向けた支援の受付は終了してますが、第5回以降なら受付可能です。
ご興味ある事業者様は、お問い合わせフォームからご連絡ください。