ものづくり補助金の採択率を100%に近づける考察

ものづくり補助金の公式ページに、興味深いデータが掲載されていました。

ものづくり補助金は最大1,000万円の補助金が受領できるというお得な制度ですが、申請すれば必ず貰えるものではなく事務局で採択の審査があり、その採択率が平均で50%くらいという傾向があります。

これを限りなく100%に近づけるためにはどうしたらいいか考察してみました。

データポータル

公式ホームページにいくつかデータが掲載されていました。

http://portal.monodukuri-hojo.jp/dataportal.html

特に興味深いのが加点項目数ごとの採択率のグラフです。それがこちらです。

加点項目数別の採択率のグラフ

見ての通り、
加点項目数が0個や1個だと採択率は20%や30%と低いですね。
加点項目数が2個でようやく全平均値と同じくらいの51.5%になり、
加点項目数が3個になると70%強に上がります。

加点項目ごとの具体的な点数というのは公開されているわけではないですが、
このグラフの傾向から察するに、かなりウエイトが高いことが明らかです。

今後の対策としては、加点項目を3個以上押さえれば平均70%以上に、
さらに事業計画書の中身をきちんと審査項目にあうように仕上げれば、
ほぼ100%に近い確率で通せると感じられます。

では、3つの加点項目をどう押さえればいいか?

現在募集中の令和2年度第3次締切の公募要領では下記の7項目があります。

①:経営革新計画を取得済 or 申請中
②:小規模事業者または創業5年以内
③-1:コロナ特別枠に該当
③-2:令和2年梅雨前線豪雨等に被災
③-3:事業継続力強化計画を取得済 or 申請中
④-1:賃上げ表明
      「総額で年2% &最低賃金+60円」
      「総額で年3% &最低賃金+90円」
④-2:被用者保険の適用拡大の任意適用

この③-1のコロナはちょっと特殊なので、ここでは度外視します。
あと③-2の被災と④-2の任意適用もかなり限られた条件ですので無視します。

確実に狙ってとれるのは、以下の3つですね。
①:経営革新計画
③-3:事業継続力強化計画
④-1:賃上げ表明

ものづくり補助金の採択を受けたかったら、この3つは必須です!
これにプラスして②小規模事業者or創業5年以内 が合致すれば、
4つになってラッキー、という感じですね。

経営革新計画を取得する方法

経営革新計画は、所定の計画書・申請書を作って、都道府県に対して申請します。
内容や項目は、ものづくり補助金用の事業計画書と共通するものが多いので、
同時並行的に一緒に仕上げるといいでしょう。

都道府県によって多少の方針の違いや温度差があるのが実情です。
私が拠点にしている埼玉県はとても力を入れていて、申請はウェルカム、
商工会議所でもサポートしてもらえるのでとても申請は通りやすいです。

なお、経営革新計画はあくまでも本社の都道府県に申請です。
場合によっては、ものづくり補助金の対象事業の実施場所とは
異なる都道府県になることもありますが、それはそれでいいです。

また、ものづくり補助金の加点としては承認まで進んでなくても、
申請中でもとりあえずOKなので、申請すればいいです。

事業継続力強化計画を取得する方法

事業継続力強化計画は、経済産業省の経済産業局に対して申請します。
東京都や埼玉県なら、関東経済産業局というところになります。

かなり分かりやすいサンプルも公開されているので、
それを参考にして自社に合わせて作れば大丈夫です。
そんなにページ数も多くないです。

賃上げ表明の加点を取得する方法

賃上げ表明の加点を取得するには、ものづくり補助金の申請時に、
賃上げ表明書を作って一緒に提出します。

賃上げ表明は以下の2種類があります。
  「総額で年2% &最低賃金+60円」
  「総額で年3% &最低賃金+90円」

当然、後者の方が加点幅は大きいです。
事務局に電話で質問して確かめました。
具体的な加点の大きさまでは教えてくれませんでしたが。

賃上げ表明した内容は、ものづくり補助金の申請の事業期間(3年~5年)
の間ずっと守り続けないと補助金返還のペナルティがあります。

ただ、どうせ必須要件で「総額で年1.5% &最低賃金+30円」が義務なので、
がんばって上乗せ宣言して加点ポイントにしてしまいましょう。

よく誤解されますが、この総額で何%賃上げというのは、
給与水準(単価)の話ではなく、あくまで全社員の給与総額合計で判断されます。
だから社員を増やす方向であれば達成は容易ですね。
しかも代表取締役などの役員も含む給与総額です。
小規模な企業であれば代表自身の給与を上げて達成という手段も取れます。

採択率をさらに上げる方法

以上の3つの加点項目の取得だけだと、まだ採択率はざっくり70%というところです。
これに加えて、事業計画書の出来がよければ採択率をもっと高められます。

事業計画書の出来がいいというのはどういうことかというと、
技術的な目新しさなども必要ですがそれだけではなくて、
いかに公募要領に記載されている審査項目に沿った記述が不足なくできているか?
が重要なポイントです。
これについては、以前のブログにも全般的に書きましたが、
改めてそれに特化したブログ記事も今後書いていこうと思います。
今しばらくお待ちください。

まとめ

ものづくり補助金は、現在は第3次締切の募集中です。
さらにこのあとに第4次募集(11月締切)、第5次募集(来年2月締切)も控えています。

ものづくり補助金申請をしたいが、自社で行うのは大変で自信もないという企業様のために、
弊社はものづくり補助金申請支援サービスを行っております。
第3次募集(8/3締切)はもう無理ですが、第4次や第5次については受付可能です。
初回相談は無料ですので、ご興味ある方はお気軽にご連絡ください。

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