コロナ対策の特別融資について

新型コロナウイルスの感染拡大で多くの事業者が打撃を受ける中、政府もさまざまな施策を打ち出してくれています。
ただ若干数が多すぎて何がなんだかよくわからないですよね(^^)。

まず大きく分けると、「融資」、「助成金・補助金」、「給付金・手当」の3つがあります。
「融資」=お金を借りる。返済が必要。
「助成金・補助金」=企業や事業者の取組に対して補助が出る。返済は不要。
「給付金・手当」=一定条件でお金がもらえる。返済は不要。

本日は「融資」についてシンプルに整理してみます。他はまた後日。

「融資」だけでも色々ありますが私の考えでは今は実質的に1択だと思っています。
これだけでも覚えてください。

①公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」

これが条件が有利でスピードも早いです。郵送やインターネットにも対応。圧倒的にお勧めです。

申込先日本政策金融公庫の最寄りの支店(郵送やインターネットにも対応)
条件直近月の単月の売上高が、前年または前々年の同月単月と比べて5%以上減少している
(業歴が1年以内の場合は別の計算式になります)
金利当初3年間は0.46%、それ以降は1.36%
しかも売上高15%以上減なら当初3年間は特別利子補給制度に該当して金利が返ってくるので間は実質無利子
借入上限制度上は6,000万円ですが、実際にはコロナの影響で必要と説明がつく運転資金相当(後述)
担保有無無担保、無保証人、経営者保証も不要

いくら借入ができるのか?

「できるだけ多く借りられるだけ借りたい」という言い方はNGです。
ストーリー性を持って今この金額が必要という根拠を示すのがポイントです。
例えば当初の予想売上高が2月から7月まで各月で、いくら、いくら、いくら、いくら・・・
しかしコロナの影響で売上高が2月、3月の実績がこう、こう、4月以降の見通しが、こう、こう・・・
したがって当初に比べてこれだけの資金不足を招きます。その分を融資してください。
という感じのストーリーが一番いいでしょう。エクセル表とかでまとめるのがいいです。

もう一つのポイントが、コロナさえ収束すれば売上や利益が出せて借入の返済ができるという根拠の説明。
コロナ前の実績からのアピールするとか、何か具体的に考えている施策を書いて見込を示すといったところです。

申し込み手順

1.まず借入申込をします。
 本来は支店に行きますが、現在の支店窓口は激コミです。
 現在は郵送やインターネット申込も可になっているのでそちらを推奨します。
 必要な書類は以下URLを参照。
 https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/covid_19.html
 https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/pdf/covid_19_info_a.pdf

2.後日、公庫担当者からヒアリングを受けます。
 これも本来は支店で面談ですが、現在は電話で行われるそうです。

3.その後、融資決定すると郵送で書類が来きます。
 必要事項を記入し、実印を押印の上、印鑑証明書と一緒に返送します。
 (印鑑は法人は法人の、個人事業主は個人の実印です)
 (あらかじめ印鑑証明書を取っておくと楽ですね)

4.先方の手続完了後に指定口座に振り込まれます。
 スムーズにいけば1から4まで2週間くらいで終わった例もありますが、
 ただ最近は申し込みが殺到しており、2ヵ月くらい覚悟する必要があります。
 したがってまだ余裕があるうちに申請するのが大事です。

 なお指定口座はネット専業銀行は不可となっています。
 もし口座がない方は事前に作成しましょう。今後の取引を見据えて、
 大手都市銀行よりも地元の信用金庫や地方銀行をお勧めします。

②それ以外の特別融資制度

1択といいつつ、一応それ以外の特別融資制度も少し紹介します。

セーフティーネット保証4号・5号

厳密には4号と5号は別物ですがくっつけてみました。くっつけるとロンドンブーツ1号・2号みたいですね。
前述の①と併用でダブル申し込みでもいいと思います。
基本は一番懇意にしている金融機関が話が早いですが、あえて関係性の薄い金融機関に申し込んできっかけにするのも手です。
ただ、さすがに口座もないところだと時間がかかります。(不可能ではないですが)

申込先1. まず自治体(市区町村)で認定書をもらう
2. その後に金融機関に申し込み
条件直近月の単月の売上高が、前年の同月と比べて20%以上減少していると4号の認定
20%なくても5%以上減少なら5号(ただし業種制限あり、ほとんどOKですが)
金利自治体により異なる、埼玉県は0.5%(信用保証料が別途必要)
担保有無無担保、無保証人、ただし経営者保証は原則として必要

終わりに

今は大変なときで我慢が必要です。
よほど自己資金が潤沢にある企業はいいですが、不安を抱えている企業や事業者の方が多いでしょう。
いざというときに企業の存続を分けるのが手元資金の厚さです。
あまり借入は好きではないという人もいるでしょう。しかし本当に危なくなってからの申し込みでは間に合いません。
「まだ何とか余裕がある・・・」くらいのタイミングであれば今のうちに手を打っておくことを強くお勧めします。
今なら金利も安いですし、利子補給の条件にあえば実質無利子です。

ご質問・ご相談等ありましたらできる限り力になります。
コロナ対応融資の支援に関しては原則無償で相談対応もいたしますので、お問い合わせください。